はじめまして、さかなです!
今回はタイトルの通り、未経験でもシステムエンジニアになれるのかというご質問に、現役エンジニアのさかながズバリ回答していきます!
- システムエンジニアになりたいけど、実際どうしたらいいのか分からない。
- 文系出身でプログラミングをしたことがないけど、システムエンジニアになれるの?
- システムエンジニアになるには、やっぱり資格や経験が必要?
さて、これを見ているみなさんはこんなことを考えたことがありませんか?
システムエンジニアってなんだか、難しそう。
資格や経験がないと雇ってもらえないんじゃ。。
結論から先にお話ししますが、プログラミングの知識・経験がなくともシステムエンジニアへの就職は可能です!
実際に新卒未経験でシステムエンジニアとして就職した私自身が証拠でもあるのですが、実はIT業界での人材不足は深刻なもので、この先もまだまだエンジニアの需要は尽きないものなのです。
そうはいっても、未経験の人材なんて採用してもらえるのか?と疑問に持たれる方もいるかもしれません。
なぜ未経験でもシステムエンジニアになることができるのか、まずは順を追ってご説明しますね。
IT業界の重篤な人材不足
コロナ禍の影響もあり、テレワークで働きたい!就職後に経験を積んでフリーランスになりたい!など、さまざまな目的をもってIT業界への就職を志望する方が年々増えているように感じています。
さて、そもそもIT業界への人材の需要はあるのでしょうか?
経済産業省の平成31年の「IT人材需給に関する調査」を見てみると、IT人材の供給数は増えているものの、2030年にあっても人材の不足数は最大79万人ほどに増加し続けています。
昨今多くの企業がDXを進める一方で、そもそもDXを理解していない企業担当者も多く、専門家として外部のコンサルタントへ依頼したり、システム開発を委託するなど市場の需要が高まっていることが背景としてあります。
さかながこれまで働いてきた会社でも、案件規模に対する人手不足は常に悩みの種であり、質の高い社員の必要性が常に求められていました。
つまり、IT業界におけるニーズの高まりから、今後も人材不足は続く見込みであることがわかります。
また年齢層を見ても、30~50歳までが一番多く、20代前後は2030年にかけて増加傾向ではあるものの、25%以下であることが予測されています。
企業としては、現在在籍している40~50歳の社員が定年後を迎えた際に、主力層として活躍してもらう若手の育成が必要となりますので、20~30代の人材の確保は必須です。
さらに現在の主要都市の求人倍率も見てみましょう。
情報処理・通信技術者の有効求人倍率(令和6年5月)
東京:3.28
大阪:2.15
東京ハローワーク_【東京】職業別有効求人・求職状況(平成29年度~)
大阪労働局 職種別有効求人倍率及び求人求職賃金
有効求人倍率とは
企業がハローワークにエントリーする仕事の数(有効求人数)÷働きたい人の数(有効求職者数)。
1よりも大きくなればなるほど人手不足であり、1より小さい場合、応募者のほうが多く競争率が高い状態。
2020年ごろから比べると倍率は下がってきているものの、いまだ応募者よりも求人数のほうが多く、採用状況の厳しい業界であることがわかりますね。
やはり今後もIT業界の人材不足が根強いことがはっきりしました。
そうはいっても未経験からの採用は厳しいのでは?と思われる方もいるでしょう。
次になぜ未経験でもシステムエンジニアになれるのかという点についてご説明します。
なぜ未経験・文系出身者でもシステムエンジニアになれるのか
システムエンジニアという言葉のイメージから、専門的な知識や経験が不可欠と考える人は多いようです。しかし採用の場においては、専門的な教育を受けたかというのは実はあまり重要視されていません。
下の図を見てください。
IT人材白書によれば、ITに従事者している社員数の中で、専門的な教育を受けた人は全体の3割で、残りの3割はIT・情報系以外の文系出身者であることがわかります
なぜ、こんなにも文系の出身者が採用されているのでしょうか?
理由としては3点あります。
学校での教育・経験はあまり重要視されていない
1つ目に大学での教育などがスキルとして重視されていないことがあげられます。
理系学部の方であれば、基礎単位としてC言語の講義を受講された方もいるでしょう。
プログラミングのイメージをつけるといった意味ではそれらの講座は有効ですが、職種によっては実際の業務の中では使用しないことも多く偏った知識になることが多いのです。
しかし、一方で情報処理技術者の資格に関しては、重要視する企業も多いです。
基本情報技術者とは、ITを活用する上で必要なシステムの知識であったり、そのシステムを構築する上で必要な工程を理解していることを証明する国家資格のことです。
この試験は専門学校を出ていなくとも、必要な知識がそろっていれば誰でも受験が可能です。
逆に言えば、プログラミング経験がなくともこの試験に合格すれば、採用される可能性をアップすることができるのです。
システムエンジニアの仕事はプログラミングだけではない?
またシステムエンジニアと言えば、パソコンに向かってカタカタキーボードを鳴らしている…なんてイメージありませんか?
間違ってはいないのですが、これもまたシステムエンジニアの偏ったイメージです。
実際にシステム開発という業務についてザックリとご説明すると、以下のような流れを経ていきます。
実際にプログラミングと呼ばれる作業を実施するのは、4番目の「開発」の工程のみです。
1~3番目の詳細設計までの工程のほとんどが、設計書の作成とお客さんとの打合せなどになります。
そしてこの詳細設計までの工程がシステム開発の中では、一番重要とされています。
なぜなら、この設計をもとにプログラムを組んで画面を作っていくことになるので、設計段階で見落としや不備があれば、開発そのものに間違いが生じてしまうからです。
案件の内容にもよりますが、プログラミングを必要とする工程は全体の時間の中ではかなり短く、規模によっては他社に外注して実施してもらうこともあります。
そうなるとほとんど自社内ではプログラミングを実施しないということもあり得るのです。
つまり、システムエンジニアとして必要な能力というのは、設計工程を無事に完了させることであり、お客さんと密なコミュニケーションをとって、しっかりと文書に落とし込んでいく思考能力ということなのです。
もっと言えば、誰かの前で発表したり、発表内容を文章としてまとめる、といった作業はだれもが学生生活の中で経験している出来事ではないでしょうか。
そう聞くと、ITのスキルがなくともなんだかやっていけそうだと思えてきませんか?
IT人材の採用は、ほとんど人材育成重視
最後にIT業界での採用は育成重視で考えている側面が強いということもお伝えしていきます。
営業系の職業であれば、経験やキャリア重視で採用することも多いイメージですが、IT系の業界では中途採用であっても社内で人材を育てていくという意志が強い傾向にあります。
こちらもIT人材白書から抜粋しましたが、大手・中小企業を問わず、即戦力としてよりも人材の育成として技術者を確保していることがわかります。
ITの技術やサービスというのは多岐にわたります。
AIなど先端技術の技術者は市場でもかなり希少であり、そもそも求める技術・サービスに完全にフィットした人材を獲得することは至難の業です。
ですから、業務に必要なコミュニケーション能力や思考能力を持った人材に、あとから技術やサービス・製品知識を身に着けてもらうほうが効率的なのです。
くわえて、昨今サーバーからアプリケーションにわたるまで、システムに必要な土台の部分をすべて製品開発元が担保するSaaSと呼ばれるサービスの利用が増えてきました。
この製品を使えば、インターネットでアクセスするだけで特別なプログラムを組み立てることなく、機能を利用することができるのです。
つまり、システムエンジニアになるにあたって、プログラミングが必須ではなくなってきたということでもあります。
もちろん学習講座などでプログラミングを経験することが全くの無駄であるというわけではありません。
システムへの理解を早める手助けになりますし、採用の場においてIT業界への就職に意欲的であるというアピールにもなります。
さて、今回お話しした内容を振り返ってみます。
まとめ
- IT業界の人材不足はまだまだ続く。
- 企業側はプログラミングなど専門的な知識・経験は重視していない。
- IT業界の採用は人材育成目的がほとんど。
いかがだったでしょうか。
この記事を読んで、システムエンジニアを目指してみたいと思ってくださる方がいれば幸いです。
それでは、次回はシステムエンジニアに向いている人の特徴や、就職活動でのポイントをお伝えしていきます!
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